まだ、事業承継対策を考えたくないとお考えの経営者のみなさまへ | 株式会社クロスリンク・アドバイザリー

コラム

2020/1/20

まだ、事業承継対策を考えたくないとお考えの経営者のみなさまへ

会社は、社長の今までのご努力によって発展してきました。

社長は、日々情熱をもって事業に取り組まれ、その経営手腕により業績は好調で、取引先との関係も良好にあり、従業員も生き生きと働いています。

社長としては、まだまだ会社を伸ばしたいというお気持ちがあり、引退してのんびりと生活するなどというイメージはお持ちではないかもしれません。

確かに、未来永劫、この状態が続くのであれば、事業承継のことを考えなくてもいいでしょう。

しかし、残念ながら、そのような好業績が続くかどうかはわかりません。

社長が高齢であるほど経常利益が減少傾向にあるというデータ

中小企業白書(2013年)によりますと、経営者の年齢と経常利益の関係について、下記のような記載があります。

『経営者が高齢である企業ほど、経常利益の状況について、「減少傾向」と回答する割合が高い。特に、小規模事業者では、その傾向が顕著に表れており、経営者の年齢が70歳以上になると、約7割が減益傾向という状況になっている。』

経常利益が減少する理由は述べられていませんので、ここからは私見ですが、高齢の経営者は、適切な判断ができなくなることが大きなポイントではないでしょうか。

ビジネスのトレンドが読めなくなる

まず、第一に、時代の流れとともに、商品は新しいものに切り替わっており、現社長の感覚で、何が売れるのかという判断ができない可能性があるということです。

例えば、電話一つとっても、固定電話から、携帯電話(ガラケー)、スマホに代わり、自動車はガソリン車からハイブリッド車、そして電気自動車、水素自動車など、新しいものに代わっています。

社長は、製品の移り変わりに、その都度、対応していくことが求められますが、ご年齢とともに正しい判断ができなくなってしまうことがあるということです。

健康状態の悪化

第二に、適切な経営判断をするためのベースは健康であり、ご年齢とともに健康状態が悪化し、正しい判断ができない可能性があるということです。

80歳を超えても元気な経営者はたくさんいらっしゃいますが、個人差はあるものの、血圧が高いことや、耳が遠くなることは、誰も避けられません。

社長ご本人は、元気だから、今までとは何も変わっていないと思っていても、耳が遠くなると取引先や従業員とのコミュニケーションがうまくいかなくなり、経営判断に支障をきたすこともあり得ます。

今すぐ辞めるのではなく、辞める為の準備を計画的に行う

社長にとっては、ご気分の悪い話を書いてしまいましたが、事業承継対策のご検討は、社長が今すぐ辞めることを考えることではなく、将来のバトンタッチのために、今から準備をするということとご理解ください。

事業承継対策で検討すべき項目はたくさんあり、一概には言えませんが、3年から5年程度の検討期間が必要になります。

今後も会社が好業績を維持して、さらに発展していただくために、早期に事業承継対策をご検討いただければと思います。

さらに、事業承継対策をしなかった場合、会社はどうなるのか?ということについては、事業承継がゼロからわかる本(第2版でご説明しておりますので、ご興味のある方は、お読み頂ければ幸いです。

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